コンビニ加盟店経営研究室

   









日本版SOX法


日本の市場経済の信頼性確保に向けてSOX法

SOX法

このところ一流企業・大企業と言われてきた企業の会計不祥事が起きていますが、米国で相次いで発生した企業会計の不正に対応するため、2002年7月「サーベンス・オクスリー法(Sarbanes-Oxley Act)」(企業改革法、SOX法)が成立しました。 このSOX法は、監査人の独立性、会社の責任、財務ディスクロージャーの強化、企業不正および説明責任などを規定しています。

年次報告書が真実で、完全かつ適切であることについて、CEO(最高経営責任者)およびCFO(最高財務責任者)などによる証明書の提出を要求しています。

 日本版SOX法として具体的には証券取引法 を抜本改正した「金融 商品取引法」の一部規定がこれに該当します 。
同法では第24条の4 の4で「有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、金融商品取引所に上場している有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、事業年度ごとに、当該会社の属する企業集団 及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した報告書(内部統制報告書)を有価証券報告書 と併せて内閣総理大臣 に提出しなければならないこととする。 また 、内部統制報告書には 、公認会計士又は監査法人の監査証明を受け なければならないこと とする」と定めていま す。

金融庁企業会計審議会内部統制部会が2005年12月に示した 「財務報告に係る内部 統制の評価及び監査の基準のあり方について 」は、監査法人が企業 の内部統制システムを チェックする際の基準に関する方針を示したもので、これが想定す る制度では「経営者が実施した内部統制の評価」について公認会計士が法定監査(財務諸表監査)の一環として監査を実施することになっています。

この前提となっている 内部統制の枠組みは米国の「COSOフレー ムワーク」をベースに したものですが、もと もとのCOSOフレー ムワークの5つの構成 要素のほかに「ITの 利用」(IT統制)が加えられています。
 
金融商品取引法(実際には「証券取引法等の 一部を改正する法律」 およびその整備法)は 2006年3月に国会へ提出され、6月に成 立。同法は緊急性の高 い条項からの順次、段階的に施行され、20 07年9月30日に完全施行されました。

内部統制報告書の提出 ・監査に関しては、附則第15条で「平成2 0年4月1日以後に開 始する事業年度から適用する」と定め、2009年(平成21年) 3月期の本決算から上場企業およびその連結子会社を対象に適用されます



日本版SOX法(内部統制)の目的

財務報告の信頼性確保、
 ・ 財務諸表 と
 ・ 財務諸表に重要な影響をおよぼす可能性が有る情報 について、その信頼性を確保するということです。

株式を公開している企業は、株式市場から資金を調達して事業活動を行っています。
事業活動の成果は事業年度ごとに決算し、決算書や有価証券報告書として株式市場に報告されます。この仕組みから考えても、財務報告は正しいものでなければなりません。

日本版SOX法で義務化されるのは「財務報告にかかる内部統制」ですから、まさにこの「財務報告の信頼性」を確保することは、内部統制の目的の中で最も重要な目的と言えます。

内部統制とは業務の「標準化」や「手順化」であり、「透明性の確保」です。 最近「経営の見える化」やITを活用した「スピード経営」が言われていますが、まさしくこの動きは、SOX法云々に関わらず、時代の流れに沿った動きと言えます。

 一部の人が経験や勘でこなしていた経理や財務の処理を誰でもできるように標準化し、経営陣がそれをいつでも自由に閲覧できるようにして、迅速かつスムーズな経営判断を行えるようにし、また、監査など第三者の求めに応じて情報開示できる体制を整えることが必要です。


ここで業界のリーディングカンパニーと自らが公言するセブン・イレブンの会計処理は正にこの「財務報告の信頼性」を裏切る処理で日本版SOX法に対応できていないと思われます。 仕組としての会計制度(擬似会計)は企業会計原則や簿記の原則に反する会計処理でSOX法以前の問題ですが、これを機会に改善することがなければ、日本版SOX法そのものが無力で意味のないものとなるばかりか、日本の市場そのものが信頼を失墜することにも成りかねません。




コンビニ会計のSOX法に関連する項目


日本式フランチャイズ・コンビニ・システムで使われてきた擬似会計について、日本版SOX法の概略を理解し、何処が企業会計原則に不適合であるか考察することが求められます。

財務報告の信頼性」を確保することが最大の目的である日本版SOX法から、コンビニ会計を擬似会計と見る基準は取引を会計処理する基本にあります。

内部統制の違反者には罰則があります。

日本版SOX法の中核となる金融商品取引法は2006年6月7日午前、参議院本会議にて賛成多数で可決、成立しました。

この法律は、「平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用する」とされており、「内部統制報告書」を提出することが義務付けられました。

 この「内部統制報告書」の重要事項に虚偽の記載があるものを提出した者は、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」に処すという罰則があります。

罰則の有無に関わらず、日本市場の信頼性確保のために必要な法律であり、この義務を遵守するのは、公正な企業活動を続ける企業にとっては極自然で当り前の簡単なことです。 また「平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用する」とあり、セブンイレブンの事業年度では平成21年3月1日以後に開始する事業年度となりますが、この一年で仕組そのものを変更(改善)するか否かを決める必要があります。

この基準では、内部統制を「基本的に、@業務の有効性及び効率性、A財務報告の信頼性、B事業活動に関わる法令等の遵守並びにC資産の保全の4つの目的が達成されていることの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。」と定義しています。

アサーション Assertion

 アサーションとは内部統制に関する用語で、ある勘定科目や残高が正しく計上・表示されていることを論じる際の「正しさ」の要件を表す概念です。

                                          (*.7式会計の中で擬似会計と指摘する理由でもある次の考え)              例えば、商品の仕入計上を考える場合に、実際の発注や入荷にもとづいて計上しているといった「実在性」や、計上すべき仕入を漏れや重複なく計上しているといった「完全性」など、勘定科目や残高の正しさの要件にはいくつかの種類があります。財務諸表が適正であるためには、各勘定科目が関連するアサーションをすべて満たしている必要があります

 アサーションの概念は、会計監査の分野以外で使われることが殆んどなく、理解しにくい考え方と思われます。しかし、日本版SOX法対応などで、財務報告が適切であることを具体的に論理立てて整理するためには、関与する部門や担当者にとって、理解が不可欠な重要な概念になります。          

会計処理(仕訳・記帳)には極あたり前のことで、複式簿記の基本でもある会計取引の発生要件としての原理原則でもあります。 日本式コンビニ会計の錯誤の基本はここにあります。(一部で廃棄商品の処理方法・税法との違いが指摘されていますが、それらを含め総ての錯誤はここから始っています) この間違いに気付いて日本式コンビニ会計を検証することで、更に多くの錯誤が見えてきます。 (擬似会計=7式会計)


アサーションの種類と概念

 アサーションの種類や概念について、COSOによる内部統制の統合的枠組みでは、以下のように整理されている。

種類                 概念説明と例示

実在または発生  ・特定の日付において資産あるいは負債が実在 していること、記録された取引が特定の期間において発生していること。  ・売上や仕入は、実在する取引にもとづいて計上されること。

完全性       ・財務諸表に表示されるべき取引や会計事象がす            べて漏れなく、重複なく記録されていること。

評価または配分  ・資産、負債、資本、収入と費用の各項目が、適切な会計基準に準拠し、適切な金額で記録されていること。      ・売掛金の評価(貸倒引当金の計上)が適切に行われること。       ・売上や仕入などの取引が、正しい会計期間に記録されること。

権利と義務    ・特定の日付において資産の権利、負債の義務が企業に帰属していること。                           ・売掛金(売上)や買掛金(仕入)は、契約にもとづくサービスの提供や受領の事実にもとづいて計上されること。

表示と開示    ・財務諸表上の各項目が適切に分類、記述、開 示されていること。                                ・営業債権・債務はその他の債権・債務と区別されて表示されること。

       〔参考文献・リスクマネジメント&内部統制 日科技連 〕

COSOとは、トレッドウェイ委員会組織委員会(Committee of Sponsoring Organizations of Treadway Commission)の略称です。 COSOの発行したレポートで提示された内部統制のフレームワークがあまりにも有名であるため、この内部統制フレームワークそのものを表す言葉として用いられることもあります。
COSOの内部統制フレームワークは、各国の様々な規制のなかにも組み込まれており、広く受け入れられた枠組みとなっています。

大企業では統合会計が進み、会計や経理の知識がなくても、ただコンピュータにデータを入力さえすれば、総ての会計処理が終了する、という会計システムも出ているように、IT化の進歩は経理会計処理の効率性から見ても大変な進歩と言えます。  しかし反面、運用には充分気を付けなければ成らないことを知る必要があります。 コンピーターで経理会計を処理するのは手段に過ぎないということです。
「コンピュータの数字を絶対的なものとして信用し疑問も持たない」人が増えています。 経営者、経営管理者になっても、こうした考えを変えないかぎり、結局は自身で正しく財務諸表を理解する能力を身につけることはできません。  巨額の不正が、信じられない程長期間にわたって発覚しないという現象は、社会的に信用の厚い筈の大企業においても続いています。

経営者、経営管理者、経理担当者が、簿記や会計の知識を生かせない、知識があっても気がつかない、たとえ不正の芽が出かかっていても発見し、摘みとることができず最悪の結果を招くこともあると考えられます。

IT化、コンピュータ会計が進化するに従ってその傾向は益々大きくなるのではないでしょうか。 企業の不正抑止は企業システムの問題であり、社会的責任でもあります。

リスクマネージメントや内部統制、経理の基本を理解することは、経営者(管理者)、経理担当者、またベンチャー企業の新しい起業家経営者にとっても必須の条件といえます。


コンビニ問題を検証する上でSOX法やアサーションの概念に触れたのは、商法や会計が触れてはならない聖域のように扱われてきた日本式フランチャイズ・コンビニ会計が、果たして、こうした高度に良識が求められる会計判断に対応できるのか、疑問を感じたからに他なりません。


会計の基本を学び始めた方、既に学び終えて何らかの資格をお持ちの方、フランチャイズ・コンビニ経営を始められた方にとりまして、具体的・実践的に会計知識の一部を使い、比較、分析することで問題を抽出する。 

大企業の事例を目の当りにする事は、今後の会計・経理・会社経営を進めていく上で、大いに役立つものと考えます。

「企業にとって社会から求められる会計制度の信頼性とは何か」を検討し、研究されることを願っています。


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セブンイレブンと此れを真似たフランチャイズ会計の制度は、日本版SOX法の基本精神に根本から反するもので、FC業界として大幅な制度改革に取り組み改善が行なわれない限り、SOX法に対応することはできません。




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内部統制と情報開示