コンビニ加盟店経営研究室













仕組の危険性


          何処が危険な仕組か   
20年10月24日(21年2月25日一部訂正)

世界経済を牽引してきた米国の金融主導形経済の破綻にみられるように、サブプライムローンやカードによるリボ払い大量消費形市場経済の危険性は、リスクを見えなくするビジネスモデルと賭博的金融主導経済の有り方にありました。  そして同様に日本式コンビニの仕組は、コンビニ発祥の米国式と異なり加盟店リスクを見えなくして、本部企業のみが急成長してきました。    日本型フランチャイズ・システムの多くが、このコンビニの会計制度をモデルにしていますが、経済的に危険な仕組であるとする理由(@日本経済への影響 A企業関係者への影響)は以下の通りです。  しかし、残念なことに現在この危険性に気付き危険を指摘する関係者は殆んど見られません。                                     21年2月20日公取はセブンイレブン加盟店の値引き販売制限について独禁法違反の疑いが強いとして、調査を進めていることを公開しました。 調査内容は一部の限定されたものですが、当研究室の方向性に間違いがないことを裏付けるもので、大変意義深いことです

その1 日本経済への影響                    (7式会計入門編・では会計仕訳以外は触れていない)

 @仕組が、公理・公準から逸脱している危険

日本7-11が創り上げたフランチャイズ・コンビニ・システムは、コンビニ発祥の米国と異なり、仕組を構成する会計処理方式が会計・経理の原理・原則を無視した処理方式であり、企業会計原則や簿記の基本原則に準拠したものではありません。                      この会計処理方式は企業が自らの仕組の都合に合わせて勝手に創りあげた会計処理方式であり、認めることは出来きません。 (こうしたことを禁止し、日本市場の信頼性を確保する目的で企業会計原則が制定され、現在総ての企業はこの原則を遵守した会計処理を行なっています。) 従って日本7-11で作成された財務報告は会計処理方式が違うことから、他との比較が出来ない信頼性のない報告書となっています。 

このような個々の企業が勝手に創る会計処理方式や報告書を日本市場で認めるようなことがあると、市場全体の信頼性失墜に繋がりかねません。                                       不適正な会計処理は、危険性より重大な不正経理という違法性が問われなければ、今年から施行された日本版SOX法も存在意義を失う事にもなりかねません。 その具体例の一つ、コンビニ業界の標準であるかのように何処の本部でも加盟店との取引決済に使われている、オープンアカウントによる会計制度は、架空の会計取引を加えることで決済をしていることに成ります。  しかし、残念ながら現在このことに気付いた専門家が居ません。          2008年 7月4日セブン・イレブン・ジャパンに対し、最高裁が加盟店の要求を認め、商品仕入額を報告するよう審理のやり直しを命じました。   此れを主要各紙が記事で伝えています。 仕入値報報告義務  この事件は不適正な会計処理の一部が明るみに出た事件ですが、これを機に多くの不適正会計が明らかに成るものと期待します。


セブン−イレブン:仕入れ価格、加盟店へ報告義務 最高裁が2審破棄、審理差し戻し
[毎日新聞 2008年7月5日 東京朝刊]

 コンビニエンスストアチェーン「セブン-イレブン・ジャパン」(本部・東京)の加盟店経営者が、商品仕入れ額などの報告を同社に求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は4日、「同社は報告義務を負う」と認めた。その上で請求を棄却した2審判決を破棄し、報告の具体的内容を審理させるため、東京高裁に差し戻した。【北村和巳】

 セブン-イレブンでは、加盟店が本部に商品を注文し、本部が仕入れ先に商品を一括発注している。 代金は本部がいったん仕入れ先に支払った上で、加盟店に請求しているが、加盟店は仕入れ単価や値引き額などを知らされていない。このため群馬、埼玉両県の現・元経営者2人が「商品が高すぎ、本部が支払額と加盟店への請求額の差額を『中抜き』していても検証できない」と訴えていた。
 1、2審は契約書に報告義務が明記されていないとして訴えを退けたが、小法廷は「加盟店が仕入れ代金の具体的内容を知りたいのは当然で、本社側にも報告に支障はない」と判断した。
 原告側は「完全勝訴。このシステムは不透明で、本社は高裁判決を待たずに報告してほしい」と語った。原告代理人によると、他のコンビニチェーンでも同様の訴訟があり、判決は影響を与えそうだ。

◇セブン−イレブン・ジャパンの話
 報告義務の範囲については差し戻し審で主張を展開したい。


セブン―イレブンは加盟店へ仕入れ値報告を 最高裁判断
[asahi.com 2008年7月4日20時37分]

 全国でコンビニエンスストアを展開する「セブン-イレブン・ジャパン」の加盟店主(オーナー)らが、明らかにされていない商品の仕入れ代金などについて同社に報告を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は4日、「仕入れ代金の支払い内容を報告する義務がある」との判断を示した。
 そのうえで、「報告義務はない」とした二審・東京高裁判決を破棄し、具体的にどんな内容を報告する義務があるかを審理するため東京高裁に差し戻した。
 加盟店主は、仕入れ先と売買契約を結んでいるものの、支払いは同社が代行しており、同社から仕入れ先に払われている金額を知ることができない仕組みになっている。
 このため、埼玉県の加盟店主と群馬県の元店主が、05年3〜8月分の仕入れ先への支払いについて、支払日、金額、商品名と単価・個数、値引きの有無などの報告を同社に求めていた。店主側の訴えに対し、一審・東京地裁、二審・東京高裁はともに報告義務は認めなかった。
 第二小法廷は、加盟店側と同社が結んでいる基本契約には報告義務は明記されていないものの、民法の規定によれば、仕入れ代金の具体的な支払い内容を報告する義務があると指摘。「商品の仕入れは加盟店の経営の根幹で、加盟店が具体的内容を知りたいと考えるのは当然。具体的な支払い内容を加盟店に報告することに大きな困難もない」と述べた。
 また、店主側は仕入れ先に領収書などの開示も求めていたが、上告審では受理されず、請求を棄却する二審判決が確定している。(岩田清隆)


この記事で毎日新聞とASAHIの重要な違いに気付かれましたか。 下にその違いを記述しましたが、ASAHIの記事が正しい記事といえます。 そしてこの判決は、仕入商品からのピンハネ問題よりむしろ会計処理の不適正が明らかにされることに有効であると考えられます。

【毎日新聞】 代金は本部がいったん仕入先に支払った上で、加盟店に請求している。 

【ASAHI】 加盟店主は、仕入先と売買契約を結んでいるものの、支払は同社が代行しており、同社から仕入先に払われている金額を知る事ができない仕組みになっている。


その2 企業関係者(ステークホルダー)への影響          (7式会計入門編・では7つの危険な要素として挙げている)

 A仕組の実態・経験的事実に基づく危険

会計原則を逸脱してまで加盟店契約書と一体化したコンビニ擬似会計が、如何して必要であったのか、この疑問を知ることで、仕組の危険性がより鮮明になります。

本部企業とその加盟店との取引基準は、極めて不公正な取引基準であり、仕組として加盟店側の経済合理性は成立しない為(一例として・加盟店側の投資額回収は始めから不可能であり、このことは加盟店側に説明されていない)、このビジネスモデルそのものは成立しないものとなります。                                      (世界的金融危機を招いた賭博的金融経済は、投資のリスクを増幅させたが一方で増幅された利得を得る投機家もいた。   此れに比べ7-11コンビニ経営の仕組は一方的に本部のみが多額の利得を得て、加盟店側には利得を得る機会がないことを比較すると、自ずと仕組の計画的錯誤が明らかになってきます。                    *計画的錯誤=始めから相手を騙そうとした契約になる場合は取消無効となります。)

具体的な法規制の無いなかで、過大なチャージ料の徴収と、経営リスクの殆んど総てを加盟店に負わせて、本部側のみ異常な高収益を得た結果(一例として・同じ店舗を夫々の損益分岐点売上額で比較すると、本部側は加盟店の1/2の売上額で可能となる)、加盟店の経営破綻が続いています。  この実態を見えなくして、加盟店側の経営が成立しない仕組を、あたかも経営が成り立つ様に装う。  そのためには特別なコンビニ会計である擬似会計を必要としたと思われます。                   

此処で少し気になるのが、既に明らかに成った加盟店で発生した廃棄商品へのチャージ料加算の問題ですが、この問題は擬似会計により表面化した極一部であることを知る事です。    確かに本部による「*注@ 廃棄商品へのチャージ料加算と、販売期限の迫った商品の値引き販売を禁止する行為は、一対になると」、確実に不公正取引に該当します。 しかし、一部の解説本が伝えるように「コンビニ会計=廃棄品チャージ問題」と捉えるのは初歩の理解であり、間違いではありませんが正しい理解とは言えません。 

注@                                        公取へ申請を予定されている加盟店経営者の皆さん。  仕組の改善には違反事例は何かを考えて申請する等の行動が重要です。     21年2月20日公取はセブンイレブン加盟店の値引き販売制限について独禁法違反の疑いが強いとして、審理を本格化させることになりました。  当研究室では「コンビニ会計=廃棄品チャージ問題」と捉えられることを避けるため、この問題は表立てて採り上げては来ませんでした。  しかし、一連の「優越的地位の濫用」の付随資料として一昨年夏に提出した資料の極一部が、今回ようやく採り上げられることになりました。




 HOMEへ               ページTOPへ





仕組の危険性は、会計問題のみならず、現実を見る洞察力・分析力と高い倫理感を備えた人々には理解が浸透し始めています。

経済学から考えるコンビニ問題
参考記事
廃棄品へのチャージ

仕入値報報告義務


起業相談
参考記事             転ばぬ先の起業講座